介護経営情報

2022年4月に行われた「財政制度分科会」の内容を確認しておきましょう

財務省としての意見を発信する「財政制度分科会」が開催

期が変わったばかりの2022年4月。そんな折、財政的観点から「社会保障関連分野においても聖域をつくらず、抜本的改革に着手すべき」と声高に主張する“財政制度分科会”が4月13日に開催されました。

“国の金庫番”とも呼べる財務省が介護業界に対し、どのような改革案を突き付けているのか?今回は同省が作成した資料「社会保障について」の中で特に介護事業者に関連するであろう論点の中から抜粋し、特に注視・認識しておいた方が良いと思われる6点の内容を採り上げ、お届けしてまいります。




財政制度分科会で採り上げられた「論点」「改革の方向性(案)」とは

では、早速、中身に移ってまいりましょう。ここでは本分科会で示された資料から抜粋・紹介する形で進めてまいります。

先ずは、「介護サービス提供体制の効率性の向上の必要性」という資料についてです(認識しておいた方が宜しい箇所を太字で強調しておりますのでご確認下さい)。

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○ そもそも、介護保険制度は、行政がサービスを提供する従来の措置制度ではなく、利用者が介護サービス事業者を選択することを基本として、多様な事業者が利用者と相対して契約を締結し、これに基づいてサービスを提供する制度として導入された。
限られた財源の下で、事業者間の競争が生じ、その結果として、サービスの質の向上や事業の効率化が進むことが期待されていた。
○ しかし、現状は、営利法人を含めた幅広い主体の参入こそ進んだものの、先に述べたとおり介護サービスの経営主体は小規模な法人が多く、競争が必ずしもサービスの質の向上につながっているとも言い切れないうえ、業務の効率化も不十分と言わざるを得ない。
○ 他方で、規模別に見ると、規模の大きな事業所・施設や事業所の数が多い法人ほど平均収支率が高いなど規模の利益が働き得ることも事実である。
○ 介護分野では主として収入面が公定価格によって規定される以上、費用面の効率化が重要であり、国や自治体が先進・優良事例を示して、備品の一括購入、請求事務や労務管理など管理部門の共通化、効率的な人員配置といった費用構造の改善、更にはその実現に資する経営の大規模化・協働化を慫慂していくべきである。
○ 介護給付費の徒な増大を防ぐ観点からは、規模の利益を生かすなどこうした取組に成功し、効率的な運営を行っている事業所等をメルクマールとして介護報酬を定めていくことも検討していくべきであり、そのようにしてこそ大規模化・協働化を含む経営の効率化を促すことができる。

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続いて、「利用者負担の見直し」についてです。

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介護保険制度の持続可能性を確保するためには、利用者負担の更なる見直しをはじめとした介護保険給付の範囲の見直しに引き続き取り組むことも必要である。
○ 利用者負担については、2割・3割負担の導入を進めてきたが、今般の後期高齢者医療における患者負担割合の見直し等を踏まえ、
【1】介護保険サービスの利用者負担を原則2割とすることや2割負担の対象範囲の拡大を図ること、
【2】現役世代との均衡の観点から現役世代並み所得(3割)等の判断基準を見直すこと
について、第9期介護保険事業計画期間に向けて結論を得るべく、検討していくべきである。

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続いて、「ケアマネジメントの利用者負担の導入」についてです。

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○ 居宅介護支援(ケアマネジメント)については、要介護者等が積極的にサービスを利用できるようにする観点から、利用者負担をとらない例外的取扱いがなされてきた。
しかしながら、介護保険制度創設から20年を超え、サービス利用が定着し、他のサービスでは利用者負担があることも踏まえれば、利用者負担を導入することは当然である。
○ そもそも、制度創設時、ケアプラン作成は「高齢者の自立を支援し、適切なサービスを確保するため、…そのニーズを適切に把握したうえで、ケアプランを作成し、実際のサービス利用につなぐもの」とされていたが、その趣旨にそぐわない実情も見られる。具体的には、ケアマネ(居宅介護支援)事業所の約9割が他の介護サービス事業所に併設しており、「法人・上司からの圧力により、自法人のサービス利用を求められた」という経験を見聞きしたケアマネジャーが約4割いるなど、サービス提供に公正中立性の問題が存在することが窺える。さらに、ケアマネジャーは、インフォーマルサービスだけでなく、介護保険サービスをケアプランに入れなければ報酬を受け取れないため、「介護報酬算定のため、必要のない福祉用具貸与等によりプランを作成した」ケアマネジャーが一定数いることが確認されている。
○ 利用者が自己負担を通じてケアプランに関心を持つ仕組みとすることは、ケアマネジャーのサービスのチェックと質の向上にも資することから、第9期介護保険事業計画期間から、ケアマネジメントに利用者負担を導入すべきである。
○ また、福祉用具の貸与のみを行うケースについては報酬の引下げを行うなどサービスの内容に応じた報酬体系とすることも、あわせて令和6年度(2024年度)報酬改定において実現すべきである。

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続いて、「多床室の室料負担の見直し」についてです。

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○ 制度創設時から、「施設介護については、居宅介護とのバランスや高齢者の自立が図られてきている状況から見て、食費等日常生活費は、利用者本人の負担とすることが考えられる」とされていた(「高齢者介護保険制度の創設について」(1996))。
このため、2005年度に、食費と個室の居住費(室料+光熱水費)を介護保険給付の対象外とする見直しを実施(多床室は食費と光熱水費のみ給付対象外)し、2015年度に、特養老人ホームの多床室の室料負担を基本サービス費から除く見直しを行った。
○ しかしながら、介護老人保健施設・介護医療院・介護療養病床の多床室については、室料相当分が介護保険給付の基本サービス費に含まれたままとなっている。
○ 居宅と施設の公平性を確保し、どの施設であっても公平な居住費(室料+光熱水費)を求めていく観点から、給付対象となっている室料相当額について、第9期介護保険事業計画期間から、基本サービス費等から除外する見直しを行うべきである。

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続いて、「区分支給限度額のあり方の見直し」についてです。

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○ 介護サービスは生活に密接に関連し利用に歯止めが利きにくいこと等から、制度創設時に、「高齢者は介護の必要度に応じて設定された介護給付額の範囲内で、自らの判断と選択により実際に利用したサービスについて保険給付を受けることができることとすることが適当である」 (「高齢者介護保険制度の創設について(1996)」)とされ、要介護度ごとに区分支給限度額が設定された。
○ しかしながら、制度創設以降、様々な政策上の配慮を理由に、区分支給限度額の対象外に位置付けられている加算が増加している。
○ 制度創設時に企図したように、設定された限度額の範囲内で給付を受けることを徹底すべきであり、居宅における生活の継続の支援を目的とした加算をはじめ、第9期介護保険事業計画期間に向けて加算の区分支給限度額の例外措置を見直すべきである。

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最後に、「軽度者へのサービスの地域支援事業への移行」についてです。

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○ 要支援者に対する訪問介護、通所介護については、地域の実情に応じた多様な主体による効果的・効率的なサービス提供を行う観点から、地域支援事業へ移行したところ(2018年3月末に移行完了)。
要介護1・2への訪問介護・通所介護についても、生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく地域の実情に合わせた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供を可能にすることが効果的・効率的である。
○ 先に述べた地域支援事業のあり方の見直しに取り組みつつ、第9期介護保険事業計画期間に向けて、要介護1・2への訪問介護・通所介護についても地域支援事業への移行を検討し、生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく地域の実情に合わせた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供を可能にすべきである。

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国策の“風”を読み取り、早め早めの準備を

以上、財政制度分科会内の資料「社会保障」より、介護事業者に直接関係のある部分から論点を幾つか抜粋してお伝えさせていただきました。

本内容は国全体の方針ではなく、あくまで「財務省」という一省庁の意見である、ということはしっかり認識しておく必要はあろうかと思いますが、それでも「財政健全化」が叫ばれる我が国としては、財務省の挙げる声に一定の重みがあることも否めない事実だと思われます。

事業者としては上記内容を踏まえつつ、「もしこれらの施策が実行された場合にどう対応するか?」について事前に頭を働かせておくことが重要だと言えるでしょう。私たちも今後、引き続き、本テーマを含め、より有益な情報や事例を入手出来次第、皆様に向けて発信してまいります。

※上記内容の参照先URLはこちら

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20220413/01.pdf



(2022-04-28)

介護助成金情報

介護事業関連助成金情報 【2013年6月24日更新】

◆雇用調整助成金 1人1日あたり7,870円を上限
※中小企業緊急雇用安定助成金は、平成25年4月1日より、雇用調整助成金に統合されました。

景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。
休業・教育訓練の場合、その初日から1年の間に最大100日分、3年の間に最大300日分受給できます。
出向の場合は最長1年の出向期間中受給できます。

受給額
受給額は、事業主が支払った休業手当等負担額の相当額に2/3の助成率を乗じた額です。
(平成25年4月1日から適用)
ただし教育訓練を行った場合は、これに教育訓練を行った場合の額が加算されます。
教育訓練(事業所内訓練)を実施したときの加算額・・・(1人1日当たり)1,500円
教育訓練(事業所外訓練)を実施したときの加算額・・・(1人1日当たり)3,000円



◆特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して、賃金相当額の一部が助成されます。

支給額
対象労働者が短時間労働者以外の者で、
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母、父子家庭の父等である場合・・・・・・・90万円(助成対象期間:1年)

対象労働者が短時間労働者で、
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母、父子家庭の父等である場合・・・・・・・60万円(助成対象期間:1年)



◆地域雇用開発奨励金
※平成25年5月16日より、地域求職者雇用奨励金と地域再生中小企業創業助成金は地域雇用開発奨励金に統合されました。

雇用機会が特に不足している地域(同意雇用開発促進地域等)の事業主が、事業所の設置・整備を行い、併せてその地域に居住する求職者等を雇い入れる場合、設置整備費用及び対象労働者の増加数に応じて助成されます。(1年毎に最大3回支給)

受給額
事業所の設置・整備費用と増加した支給対象労働者の数により 50万〜800万円の支給



◆トライアル雇用奨励金
※トライアル雇用奨励金については、従来、若年者トライアル雇用などの対象者ごとの制度でしたが、平成25年5月16日から対象者要件を見直し、フリーター・ニートなどの若年者・中高年齢者・母子家庭の母など職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者について、より広く適格者に有効活用されるよう、制度を一本化(障害者トライアル雇用を除きます。)しました。

職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者について、ハローワーク等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成するものであり、それらの求職者の適性や業務遂行可能性を見極め、求職者および求人者の相互理解を促進すること等を通じて、その早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。

受給額
支給対象者1人につき 月額4万円×最長3ヵ月間



◆中小企業労働環境向上助成金(個別中小企業助成コース)

雇用管理制度(評価・処遇制度、研修体系制度)の導入等を行う健康・環境・農林漁業分野等の事業を営む中小企業事業主(以下「重点分野関連事業主」という。)に対して助成するものであり、雇用管理責任者を選任し、雇用管理改善を推進し、人材の定着・確保を図ることを目的としています。
このうち介護関連事業主の場合は、健康づくり制度や介護福祉機器の導入も助成対象となります。

支給額
雇用管理制度助成の支給額、制度の導入に対して、次の金額を支給
 ・評価・処遇制度 …… 40万円
 ・研修体系制度   …… 30万円
 ・健康づくり制度 …… 30万円

介護福祉機器の導入に対して、導入に要した費用の1/2(上限300万円)




◆キャリアアップ助成金

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(正社員待遇を受けていない無期雇用労働者を含む。以下「有期契約労働者等」という)の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。
本助成金は次の6つのコースに分けられます。


I 正規雇用等転換コース
有期契約労働者の正規雇用等への転換、または派遣労働者の直接雇用化を行う事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等のより安定度の高い雇用形態への転換を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり10人までを上限とします。)
有期労働から正規雇用への転換等・・・・・・40万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、10万円加算)
有期労働から無期雇用への転換等・・・・・・20万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、5万円加算)
無期労働から正規雇用への転換等・・・・・・20万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、5万円加算)


II 人材育成コース
有期契約労働者等に対して職業訓練を行う事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等の職業能力開発を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり500万円を上限とします。)
Off−JT ・・・・・・・ (賃金助成) 1時間あたり 800円
             (訓練経費助成) 実費相当額 上限20万円
OJT   ・・・・・・・ (訓練経費助成) 1時間あたり 700円


III 処遇改善コース
有期契約労働者等の賃金水準の向上を図った事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等の処遇改善を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり100人までを上限とします。 )
賃金テーブル改定の対象となる支給対象者1人あたり1万円
なお、職務評価を活用して処遇改善を行う場合は、職務評価加算として1事業所当たり10万円を加算


IV 健康管理コース
有期契約労働者等に対して法定外の健康診断制度を導入する事業主に対して助成するものであり、健康管理体制の強化を通じた有期契約労働者等のキャリアアップを目的としています。

受給額
1事業所当たり40万円


V 短時間正社員コース
短時間正社員への転換や新たな雇い入れを行う事業主に対して助成するものであり、主にワーク・ライフ・バランスの観点から正規雇用労働者から短時間正社員に転換するケースや、短時間労働者を短時間正社員に転換するケースなどを想定しています。

受給額
支給対象者1人当たり20万円
(支給対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は、1人あたり10万円を加算)
VIの「短時間労働者の週所定労働時間延長コース」の人数と合計し、1年度1事業所あたり10人までを上限


VI 短時間労働者の週所定労働時間延長コース
週所定労働時間が25時間未満の有期契約労働者等について、当該週所定労働時間を30時間以上に延長した事業主に対して助成するものであり、社会保険適用を受けることのできる労働条件の確保を通じた短時間労働者のキャリアアップを目的としています。

受給額
支給対象者1人当たり10万円
Vの「短時間正社員コース」の人数と合計し、1年度1事業所あたり10人までを上限



◆その他の助成金

・労働移動支援助成金
・高年齢者雇用開発特別奨励金
・沖縄若年者雇用促進奨励金
・両立支援助成金
・試行雇用奨励金(障害者)※精神障害者ステップアップ奨励金を統合
・成長分野等人材育成支援事業(震災特例・復興関連分)
・日本再生人材育成支援事業(平成25年1月創設)
・特定就職困難者雇用開発助成金
・被災者雇用開発助成金
・通年雇用奨励金
・障害者初回雇用奨励金
・キャリア形成促進助成金
・中小企業定年引上げ等奨励金



(2013-06-24)