介護経営情報

2023年5月に行われた「財政制度分科会」の内容を確認しておきましょう

財務省としての意見を発信する「財政制度分科会」が開催

年度が変わり、統一地方選が落ち着いた後の2023年5月。そんな折、財政的観点から「社会保障関連分野においても聖域をつくらず、抜本的改革に着手すべき」と声高に主張する“財政制度分科会”が5月11日に開催されました。

“国の金庫番”とも呼べる財務省が介護業界に対し、どのような改革案を突き付けているのか?今回は同省が作成した資料「財政各論」の中で特に介護事業者に関連するであろう論点の中から抜粋し、特に注視・認識しておいた方が良いと思われる6点の内容を採り上げ、お届けしてまいります。




財政制度分科会で採り上げられた「論点」「改革の方向性(案)」とは

では、早速、中身に移ってまいりましょう。
ここでは本分科会で示された資料から抜粋・紹介する形で進めてまいります。
先ずは、財務省の基本姿勢を示している、「介護の改革の必要性」という資料についてです(認識しておいた方が宜しい箇所を太字で強調しておりますのでご確認下さい)。

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○ 介護はすでに医療以上のスピードで費用が増加しているが、団塊世代が85歳以上となる「10年後」には介護費用が激増することが確実。一方で、介護費用を支える保険料・公費負担の上昇、介護サービスを支える人材確保には限界がある。
○ この中で、(1)ICT機器の活用による人員配置の効率化、(2)協働化・大規模化による多様な人員配置、(3)給付の効率化(介護報酬改定、利用者負担、給付範囲の見直し)を3年に1度の制度見直しにおいて、毎回、着実に進める必要。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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続いて、「介護事業の収益の推移」についてです。

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○ 介護事業者は、直近のコロナ禍で、業態間の多少の異同はあるものの、安定した収益をあげている。
○ 産業界全体、とりわけ中小企業や中小サービス業がコロナ前から年ごとに収益が変動する一方、介護事業の収益は安定した伸びを示している。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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更にもう一つ、「介護事業者の現預金・積立金等の水準」についてです。

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○ 主に介護事業を運営する社会福祉法人においては、平均して費用の6か月分前後の現預金・積立金等を保有しており、直近まで毎年、現預金・積立金等の額も増加している。
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※上記に関連した下記図もご確認ください

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これらの資料は、基礎報酬削減の方向性が「妥当」と判断する根拠・裏付けとして示されたものだと理解して差し支えないでしょう。
続いて、「業務の効率化と経営の協働化・大規模化」についてです。

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限られた介護人材のリソースを有効に活用し、生産性を上げていくため、経営の協働化・大規模化は重要な取組。
○ 在宅・施設とも、規模が大きいほど収支差率が上昇。
○ この中で、営利法人と社会福祉法人を比較すると、営利法人の方が収支差率が良好。大手民間企業では100か所以上の事業所で通所・訪問介護を運営している例もあり、こうした取組が効率的な運営につながっていると考えられる。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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更に、上記とは別に、社会福祉法人においては名指しの上、下記内容の資料も掲載されていました。

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○ 介護事業者は毎年多数の参入・退出が見られるが、その多くは営利法人の事業者と見られる。一方で、社会福祉法人については、新規設立・合併・解散いずれも少ない状態。
○ こうした中で、社会福祉法人については、1法人1拠点(1施設のみ)、1法人2拠点(施設+通所or訪問が典型)の法人が過半を占めているが、こうした法人の利益率は低調。
○ 一方で、特養では規模が大きくなるほど職員1人当たりの給与が大きくなる傾向にある。
○ こうした多くの社会福祉法人の経営基盤の強化に資する方策として、他法人との連携、具体的には物資の共同購入、人材の相互交流などが考えられる。これらは職員の処遇改善にも資すると考えられる。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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「介護事業者は、基礎報酬削減にも耐え得ることが出来る経営規模を持つことが不可欠」
「特に、セーフティネット機能がより一層強く求められる社会福祉法人については、協働化・大規模化を進めることが急務」
そんなメッセージを明確に示す資料だと思われます。

続いて、「利用者負担や第1号保険料の見直し」についてです。
先ずは「利用者負担」の見直しについて、下記メッセージ及び資料が示されています。

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○ 後期高齢者医療制度における2割負担の導入(所得上位30%)を受けて、介護保険の利用者負担(2割負担)(現行:所得上位20%)の拡大について、ただちに結論を出す必要。
○ さらに、利用者負担を原則2割とすることや、現役世代並み所得(3割)等の判断基準を見直すことについても検討していくべきである。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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続いて、「介護保険の第1号保険料負担の見直し」についてです。

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○ 介護保険第1号保険料は、保険者ごとに介護サービスの利用見込み等を踏まえて基準額を設定した上で、所得段階別の保険料を決定。基本的に、基準額を上回る分の合計額と、基準額を下回る分の合計額を均衡させることとなっている。
○ これに対し、低所得者の保険料負担の軽減を強化するため、2015年度より、公費による更なる負担軽減を実施。
○ 今後、高齢化の進展による第1号被保険者数の増加や、給付費の増加に伴う保険料の上昇が見込まれる中で、低所得者の負担軽減に要する公費の過度な増加を防ぐため、負担能力に応じた負担の考え方に沿って、高所得の被保険者の負担による再分配を強化すべき。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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水道光熱費等の日常生活コストが上昇する中、負担をどこまで強いることが出来るのか?
非常に難しい判断が求められることになるでしょう。

続いては最近、規制改革推進会議等でも問題提起されていた「人材紹介会社の規制強化」についてです。

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○ 人材の採用に当たって、5割の介護事業者が民間の人材紹介会社を活用しているが、年収の30%程度が手数料の相場水準となっているため、結果として、一部の人手が不足している事業者が高額の経費を支払っている状況。また、人材紹介会社を介する場合には採用した人材の離職率が高いとする調査もあり、必ずしも安定的な職員の確保に繋がっているとは言い難い。
○ 介護職員の給与は公費(税金)と保険料を財源としており、本来は職員の処遇改善に充てられるべきもの。介護事業者向けの人材紹介会社については、本人への「就職お祝い金」の禁止など現行の規制の徹底に加え、手数料水準の設定など、一般の人材紹介よりも厳しい対応が必要。そもそも、ハローワークや都道府県等を介した公的人材紹介を強化すべき。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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人材紹介事業者に対し、どこまで、どのような規制が行われるのか。次回の法改正に注目したいところです。

続いて、「サービス付き高齢者向け住宅におけるケアマネジメント等の適正化」についてです。

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○ サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)等においては、同一の建物に居住する高齢者に対して特定の事業者が集中的にサービスを提供している場合に、画一的なケアプランや過剰なサービス等の問題が指摘されてきた。
○ 前回の報酬改定時に、問題事例についてはケアプランを点検する仕組みを導入したが、画一的なケアプランや過剰なサービス等の問題事例が見つかるとともに、ケアプラン点検によりサービスの見直しにつながった例は多くない状況。その背景の一つとして、サ高住の運営者との関係で見直しが進まないとの課題が指摘されている。
○ また、ケアマネジメントについては、利用者にサ高住の入居者がいる場合、それ以外の場合と比較して、所要時間が3割程度少ない。
○ こうした実態を踏まえ、サ高住等でケアマネジメントを提供する事業者には、同一建物減算を適用すべき。さらに、訪問介護等についても、利用者が同一建物に集中している場合には、一層の減算を行うことで適正化を図るべき。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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ケアマネ協会がどのようなコメント・反論を出すかも含め、今後の議論の行方を追いかける必要があろうかと思います。

最後に、「第10期計画期間(2027〜2029年度)の開始までに結論を得るべき事項」としてまとめられた資料についてです。

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【要介護1・2への訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行等】
○ 要支援者に対する訪問介護・通所介護については、地域の実情に応じた多様な主体による効果的・効率的なサービス提供を行う観点から、地域支援事業へ移行(2018年3月末に移行完了)。今後も介護サービスの需要の大幅な増加が見込まれる中、生活援助型サービスをはじめ、全国一律の基準ではなく、人員配置や運営基準の緩和等を通じて、地域の実情に合わせた多様な人材や資源の活用を図り、必要なサービスを提供するための枠組みを構築する必要。
第10期介護保険事業計画に向けて、要介護1・2への訪問介護・通所介護についても地域支援事業への移行を目指し、段階的にでも、生活援助型サービスをはじめ、地域の実情に合わせた多様な主体による効果的・効率的なサービス提供を可能にすべきである。

【ケアマネジメントの利用者負担の導入】
○ 介護保険サービスの利用にあたっては一定の利用者負担を求めているが、ケアマネジメントについては、介護保険制度の導入にあたり、要介護者等が積極的にサービスを利用できるようにする観点から、利用者負担を取らない例外的取扱いがなされてきた。他方、介護老人福祉施設(特養老人ホーム)等の介護施設においてケアマネジャーが行う施設サービス計画の作成等に係る費用については、基本サービスの一部として利用者負担が存在しているため、施設と在宅の間で公平性が確保されていない。
第10期介護保険事業計画期間から、ケアマネジメントに利用者負担を導入すべきである。

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※上記に関連した下記図もご確認ください

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国策の“風”を読み取り、早め早めの準備を

以上、財政制度分科会内の資料「財政各論」より、介護事業者に直接関係のある部分から論点を幾つか抜粋してお伝えさせていただきました。

本内容は国全体の方針ではなく、あくまで「財務省」という一省庁の意見である、ということはしっかり認識しておく必要はあろうかと思いますが、それでも「財政健全化」が叫ばれる我が国としては、財務省の挙げる声に一定の重みがあることも否めない事実だと思われます。事業者としては上記内容を踏まえつつ、「もしこれらの施策が実行された場合にどう対応するか?」について事前に頭を働かせておくことが重要だと言えるでしょう。

私たちも今後、引き続き、本テーマを含め、より有益な情報や事例を入手出来次第、皆様に向けて発信してまいります。

※上記内容の参照先URLはこちら

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20230511/02.pdf

(2023-05-31)

介護助成金情報

介護事業関連助成金情報 【2013年6月24日更新】

◆雇用調整助成金 1人1日あたり7,870円を上限
※中小企業緊急雇用安定助成金は、平成25年4月1日より、雇用調整助成金に統合されました。

景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。
休業・教育訓練の場合、その初日から1年の間に最大100日分、3年の間に最大300日分受給できます。
出向の場合は最長1年の出向期間中受給できます。

受給額
受給額は、事業主が支払った休業手当等負担額の相当額に2/3の助成率を乗じた額です。
(平成25年4月1日から適用)
ただし教育訓練を行った場合は、これに教育訓練を行った場合の額が加算されます。
教育訓練(事業所内訓練)を実施したときの加算額・・・(1人1日当たり)1,500円
教育訓練(事業所外訓練)を実施したときの加算額・・・(1人1日当たり)3,000円



◆特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して、賃金相当額の一部が助成されます。

支給額
対象労働者が短時間労働者以外の者で、
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母、父子家庭の父等である場合・・・・・・・90万円(助成対象期間:1年)

対象労働者が短時間労働者で、
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母、父子家庭の父等である場合・・・・・・・60万円(助成対象期間:1年)



◆地域雇用開発奨励金
※平成25年5月16日より、地域求職者雇用奨励金と地域再生中小企業創業助成金は地域雇用開発奨励金に統合されました。

雇用機会が特に不足している地域(同意雇用開発促進地域等)の事業主が、事業所の設置・整備を行い、併せてその地域に居住する求職者等を雇い入れる場合、設置整備費用及び対象労働者の増加数に応じて助成されます。(1年毎に最大3回支給)

受給額
事業所の設置・整備費用と増加した支給対象労働者の数により 50万〜800万円の支給



◆トライアル雇用奨励金
※トライアル雇用奨励金については、従来、若年者トライアル雇用などの対象者ごとの制度でしたが、平成25年5月16日から対象者要件を見直し、フリーター・ニートなどの若年者・中高年齢者・母子家庭の母など職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者について、より広く適格者に有効活用されるよう、制度を一本化(障害者トライアル雇用を除きます。)しました。

職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者について、ハローワーク等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成するものであり、それらの求職者の適性や業務遂行可能性を見極め、求職者および求人者の相互理解を促進すること等を通じて、その早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。

受給額
支給対象者1人につき 月額4万円×最長3ヵ月間



◆中小企業労働環境向上助成金(個別中小企業助成コース)

雇用管理制度(評価・処遇制度、研修体系制度)の導入等を行う健康・環境・農林漁業分野等の事業を営む中小企業事業主(以下「重点分野関連事業主」という。)に対して助成するものであり、雇用管理責任者を選任し、雇用管理改善を推進し、人材の定着・確保を図ることを目的としています。
このうち介護関連事業主の場合は、健康づくり制度や介護福祉機器の導入も助成対象となります。

支給額
雇用管理制度助成の支給額、制度の導入に対して、次の金額を支給
 ・評価・処遇制度 …… 40万円
 ・研修体系制度   …… 30万円
 ・健康づくり制度 …… 30万円

介護福祉機器の導入に対して、導入に要した費用の1/2(上限300万円)




◆キャリアアップ助成金

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(正社員待遇を受けていない無期雇用労働者を含む。以下「有期契約労働者等」という)の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。
本助成金は次の6つのコースに分けられます。


I 正規雇用等転換コース
有期契約労働者の正規雇用等への転換、または派遣労働者の直接雇用化を行う事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等のより安定度の高い雇用形態への転換を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり10人までを上限とします。)
有期労働から正規雇用への転換等・・・・・・40万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、10万円加算)
有期労働から無期雇用への転換等・・・・・・20万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、5万円加算)
無期労働から正規雇用への転換等・・・・・・20万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、5万円加算)


II 人材育成コース
有期契約労働者等に対して職業訓練を行う事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等の職業能力開発を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり500万円を上限とします。)
Off−JT ・・・・・・・ (賃金助成) 1時間あたり 800円
             (訓練経費助成) 実費相当額 上限20万円
OJT   ・・・・・・・ (訓練経費助成) 1時間あたり 700円


III 処遇改善コース
有期契約労働者等の賃金水準の向上を図った事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等の処遇改善を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり100人までを上限とします。 )
賃金テーブル改定の対象となる支給対象者1人あたり1万円
なお、職務評価を活用して処遇改善を行う場合は、職務評価加算として1事業所当たり10万円を加算


IV 健康管理コース
有期契約労働者等に対して法定外の健康診断制度を導入する事業主に対して助成するものであり、健康管理体制の強化を通じた有期契約労働者等のキャリアアップを目的としています。

受給額
1事業所当たり40万円


V 短時間正社員コース
短時間正社員への転換や新たな雇い入れを行う事業主に対して助成するものであり、主にワーク・ライフ・バランスの観点から正規雇用労働者から短時間正社員に転換するケースや、短時間労働者を短時間正社員に転換するケースなどを想定しています。

受給額
支給対象者1人当たり20万円
(支給対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は、1人あたり10万円を加算)
VIの「短時間労働者の週所定労働時間延長コース」の人数と合計し、1年度1事業所あたり10人までを上限


VI 短時間労働者の週所定労働時間延長コース
週所定労働時間が25時間未満の有期契約労働者等について、当該週所定労働時間を30時間以上に延長した事業主に対して助成するものであり、社会保険適用を受けることのできる労働条件の確保を通じた短時間労働者のキャリアアップを目的としています。

受給額
支給対象者1人当たり10万円
Vの「短時間正社員コース」の人数と合計し、1年度1事業所あたり10人までを上限



◆その他の助成金

・労働移動支援助成金
・高年齢者雇用開発特別奨励金
・沖縄若年者雇用促進奨励金
・両立支援助成金
・試行雇用奨励金(障害者)※精神障害者ステップアップ奨励金を統合
・成長分野等人材育成支援事業(震災特例・復興関連分)
・日本再生人材育成支援事業(平成25年1月創設)
・特定就職困難者雇用開発助成金
・被災者雇用開発助成金
・通年雇用奨励金
・障害者初回雇用奨励金
・キャリア形成促進助成金
・中小企業定年引上げ等奨励金



(2013-06-24)