介護経営情報

「全世代型社会保障構築会議」の議論のポイントについて確認しておきましょう

2022年12月16日「全世代型社会保障構築会議」報告書が公表

昨年の2022年12月16日に開催された、「全世代型社会保障構築会議」。ここでは今までの議論が集約された「報告書」が公表されました。

社会保障領域において最も“風上”の議論と言っても過言ではない同会議。その意味でも本会議の取りまとめである同報告書は、2024年度の介護保険法改正に少なからず影響を与えることは間違いないと言えるでしょう。

今回のニュースレターではあらためて、本報告書の中から介護事業者の皆様にとって直接的に関係してくるであろう内容を抜粋し、お伝えしてまいります。




介護事業者がおさえておくべき内容・ポイントとは

では早速、内容確認に移ってまいりましょう。
先ずは、介護業界に対する社会保障全体からの大きな方向性についてです(特に重要と思われる箇所には太字としています。以下同じ)。

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超高齢社会への備えを確かなものとするとともに、人口減少に対応していく観点から、医療・介護制度の改革を前に進めることが喫緊の課題である。特に、2025 年までに 75 歳以上の後期高齢者の割合が急激に高まることを踏まえ、負担能力に応じて、全ての世代で、増加する医療費を公平に支え合う仕組みを早急に構築する必要がある。

○ 同時に、コロナ禍での経験は、今後の高齢者人口の増加と生産年齢人口の急減を前にして、限りある資源を有効に活用しながら、地域における医療・介護ニーズの増大に的確に対応することの必要性を強く意識させるものとなった。全ての国民が、それぞれの地域において、質の高い医療・介護サービスを必要に応じて受けることのできる体制を確保していく観点から、医療の機能分化と連携の更なる推進、医療・介護人材の確保・育成、働き方改革に力を注ぐとともに、医療・介護ニーズの変化やデジタル技術の著しい進展に対応した医療・介護サービス提供体制の改革を進めていく必要がある。その際、少子高齢化・人口減少などの状況は地域によって大きく異なり、求められる対応も地域によって異なることに十分留意する必要がある。

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「今日、最も緊急を要する取組は、『未来への投資』として、子育て・若者世代への支援を急速かつ強力に整備すること」「子育て費用を社会全体で分かち合い、こどもを生み育てたいと希望する全ての人が、安心して子育てができる環境を整備することこそ何よりも求められている」・・・・本報告書3pに明記されている内容の一部です。

高齢者に偏重していた社会保障を子育て・若者世代へと範囲を拡大することで、受益者(=恩恵を受ける人々)全員で支えあう仕組みを構築しよう(=少々穿った見方をすれば、上記改革により20代、30代にまで負担範囲を拡大し、より大きな安定財源を確保しやすいようにしよう)という姿勢が示されたことはポイントとして特におさえておいた方が良い内容かと思います。

次に、上記の方向性を背景に、介護領域について具体的に言及されたポイントを列記させていただきます。

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○ 介護保険は、制度創設以来、総費用が約4倍、保険料が約2倍と、医療保険をはるかに上回るペースで増加しており、今後、要介護認定率が高い 75 歳以上、さらには 85 歳以上の人口の急増が見込まれる。一方で、生産年齢人口が減少する中で、介護人材の不足が深刻化するおそれがある。
○ 高齢者ができる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の深化・推進を図るとともに、制度の持続可能性を確保するため、サービス提供体制や給付と負担の見直し、介護人材の確保が喫緊の課題となっている。

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◆ 地域包括ケアシステムの深化・推進
 単身・独居や高齢者のみの世帯の増加、介護ニーズが急増する都市部の状況等を踏まえ、それぞれの地域社会の実情に合わせた柔軟なサービスの提供によって、医療ニーズの高い中重度の要介護者を含めた要介護高齢者が在宅で生活できる介護サービス提供体制の整備が必要であり、ケアマネジメントの質の向上を図るとともに、地域の拠点となる在宅サービス基盤の整備と機能強化が求められている。また、総合事業について、担い手の育成や継続的に利用する者の選択肢の拡大の検討を含め、現行事業の受け皿整備や活性化を図ることが重要である。
 また、今後更に増加する認知症の方や、その家族、地域住民が、より長くいきいきと地域で暮らし続けることができるよう、それぞれの地域社会のニーズに応じて、多世代交流や就労的活動を含めた介護予防や社会参加の場の充実を図るとともに、認知症の方やその家族を含めた包括的な支援・権利擁護を図るため、相談支援や関係者との連携調整を担う地域包括支援センターの体制整備を推進する必要がある。

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◆ 次の計画期間に向けた改革
 介護現場における生産性の向上と働きやすい職場環境づくりは、逼迫する介護人材を確保するためにも必要であり、この観点から、
 ? 介護現場革新のワンストップ窓口の設置
 ? 介護ロボット・ICT 機器の導入支援
 ? 優良事業者・職員の総理表彰等を通じた好事例の普及促進
 ? 介護サービス事業者の経営の見える化
 ? 福祉用具、在宅介護におけるテクノロジーの導入・活用促進
 ? 生産性向上に向けた処遇改善加算の見直し
 ? 職員配置基準の柔軟化の検討
 ? 介護行政手続の原則デジタル化
 などを促進することが重要である。
 あわせて、人材や資源の有効活用の観点から、介護サービス事業者の経営の協働化・大規模化に向けた取組を一層進める必要がある。
 また、2024 年度からの次の計画期間に向けて、介護保険制度の持続可能性を確保するため、「骨太の方針 2022」や「新経済・財政再生計画 改革工程表 2021」、社会保障審議会介護保険部会等で指摘された課題(保険料負担や利用者負担の在り方など)について、来年度の「骨太の方針」に向けて検討を進めるべきである。

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(以上、抜粋終了)




内容の理解と共に、対応方法については早めの思考を

以上、今月は「全世代型社会保障構築会議」の報告書から、特に介護業界にとって直接的に関係するであろう内容を抜粋してご紹介させていただきました。

2024年度の法改正に向け、来年度からは介護給付費分科会の中で具体的改正案が議論されることになる訳ですが、本報告書に示された内容は同会議の中でも間違いなく重要な論点・テーマとして反映されることと思います。

その意味でも介護経営者の皆様はあらためて内容・ポイントを確認すると共に、対応方法について早めに思考を進めておいた方が宜しいのではないか、と思う次第です(中には思考のみならず早々に対応したほうがよいものもあるかもしれません)。

我々もしっかりと追いかけ、今後もタイムリーな情報提供を心掛けてまいりますので、引き続きよろしくお願い致します。

※上記内容の参照先URLはこちら

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001025603.pdf






(2023-01-31)

介護助成金情報

介護事業関連助成金情報 【2013年6月24日更新】

◆雇用調整助成金 1人1日あたり7,870円を上限
※中小企業緊急雇用安定助成金は、平成25年4月1日より、雇用調整助成金に統合されました。

景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。
休業・教育訓練の場合、その初日から1年の間に最大100日分、3年の間に最大300日分受給できます。
出向の場合は最長1年の出向期間中受給できます。

受給額
受給額は、事業主が支払った休業手当等負担額の相当額に2/3の助成率を乗じた額です。
(平成25年4月1日から適用)
ただし教育訓練を行った場合は、これに教育訓練を行った場合の額が加算されます。
教育訓練(事業所内訓練)を実施したときの加算額・・・(1人1日当たり)1,500円
教育訓練(事業所外訓練)を実施したときの加算額・・・(1人1日当たり)3,000円



◆特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して、賃金相当額の一部が助成されます。

支給額
対象労働者が短時間労働者以外の者で、
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母、父子家庭の父等である場合・・・・・・・90万円(助成対象期間:1年)

対象労働者が短時間労働者で、
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母、父子家庭の父等である場合・・・・・・・60万円(助成対象期間:1年)



◆地域雇用開発奨励金
※平成25年5月16日より、地域求職者雇用奨励金と地域再生中小企業創業助成金は地域雇用開発奨励金に統合されました。

雇用機会が特に不足している地域(同意雇用開発促進地域等)の事業主が、事業所の設置・整備を行い、併せてその地域に居住する求職者等を雇い入れる場合、設置整備費用及び対象労働者の増加数に応じて助成されます。(1年毎に最大3回支給)

受給額
事業所の設置・整備費用と増加した支給対象労働者の数により 50万〜800万円の支給



◆トライアル雇用奨励金
※トライアル雇用奨励金については、従来、若年者トライアル雇用などの対象者ごとの制度でしたが、平成25年5月16日から対象者要件を見直し、フリーター・ニートなどの若年者・中高年齢者・母子家庭の母など職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者について、より広く適格者に有効活用されるよう、制度を一本化(障害者トライアル雇用を除きます。)しました。

職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者について、ハローワーク等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成するものであり、それらの求職者の適性や業務遂行可能性を見極め、求職者および求人者の相互理解を促進すること等を通じて、その早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。

受給額
支給対象者1人につき 月額4万円×最長3ヵ月間



◆中小企業労働環境向上助成金(個別中小企業助成コース)

雇用管理制度(評価・処遇制度、研修体系制度)の導入等を行う健康・環境・農林漁業分野等の事業を営む中小企業事業主(以下「重点分野関連事業主」という。)に対して助成するものであり、雇用管理責任者を選任し、雇用管理改善を推進し、人材の定着・確保を図ることを目的としています。
このうち介護関連事業主の場合は、健康づくり制度や介護福祉機器の導入も助成対象となります。

支給額
雇用管理制度助成の支給額、制度の導入に対して、次の金額を支給
 ・評価・処遇制度 …… 40万円
 ・研修体系制度   …… 30万円
 ・健康づくり制度 …… 30万円

介護福祉機器の導入に対して、導入に要した費用の1/2(上限300万円)




◆キャリアアップ助成金

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(正社員待遇を受けていない無期雇用労働者を含む。以下「有期契約労働者等」という)の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。
本助成金は次の6つのコースに分けられます。


I 正規雇用等転換コース
有期契約労働者の正規雇用等への転換、または派遣労働者の直接雇用化を行う事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等のより安定度の高い雇用形態への転換を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり10人までを上限とします。)
有期労働から正規雇用への転換等・・・・・・40万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、10万円加算)
有期労働から無期雇用への転換等・・・・・・20万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、5万円加算)
無期労働から正規雇用への転換等・・・・・・20万円
(支給対象者が母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合、5万円加算)


II 人材育成コース
有期契約労働者等に対して職業訓練を行う事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等の職業能力開発を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり500万円を上限とします。)
Off−JT ・・・・・・・ (賃金助成) 1時間あたり 800円
             (訓練経費助成) 実費相当額 上限20万円
OJT   ・・・・・・・ (訓練経費助成) 1時間あたり 700円


III 処遇改善コース
有期契約労働者等の賃金水準の向上を図った事業主に対して助成するものであり、有期契約労働者等の処遇改善を通じたキャリアアップを目的としています。

受給額(1年度1事業所あたり100人までを上限とします。 )
賃金テーブル改定の対象となる支給対象者1人あたり1万円
なお、職務評価を活用して処遇改善を行う場合は、職務評価加算として1事業所当たり10万円を加算


IV 健康管理コース
有期契約労働者等に対して法定外の健康診断制度を導入する事業主に対して助成するものであり、健康管理体制の強化を通じた有期契約労働者等のキャリアアップを目的としています。

受給額
1事業所当たり40万円


V 短時間正社員コース
短時間正社員への転換や新たな雇い入れを行う事業主に対して助成するものであり、主にワーク・ライフ・バランスの観点から正規雇用労働者から短時間正社員に転換するケースや、短時間労働者を短時間正社員に転換するケースなどを想定しています。

受給額
支給対象者1人当たり20万円
(支給対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は、1人あたり10万円を加算)
VIの「短時間労働者の週所定労働時間延長コース」の人数と合計し、1年度1事業所あたり10人までを上限


VI 短時間労働者の週所定労働時間延長コース
週所定労働時間が25時間未満の有期契約労働者等について、当該週所定労働時間を30時間以上に延長した事業主に対して助成するものであり、社会保険適用を受けることのできる労働条件の確保を通じた短時間労働者のキャリアアップを目的としています。

受給額
支給対象者1人当たり10万円
Vの「短時間正社員コース」の人数と合計し、1年度1事業所あたり10人までを上限



◆その他の助成金

・労働移動支援助成金
・高年齢者雇用開発特別奨励金
・沖縄若年者雇用促進奨励金
・両立支援助成金
・試行雇用奨励金(障害者)※精神障害者ステップアップ奨励金を統合
・成長分野等人材育成支援事業(震災特例・復興関連分)
・日本再生人材育成支援事業(平成25年1月創設)
・特定就職困難者雇用開発助成金
・被災者雇用開発助成金
・通年雇用奨励金
・障害者初回雇用奨励金
・キャリア形成促進助成金
・中小企業定年引上げ等奨励金



(2013-06-24)