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共生型サービスの現状、並びに国の方針について確認しておきましょう

社会保障審議会 障害者部会において「中間整理(案)」が公表

年末も差し迫った2021年12月16日。社会保障審議会障害者部会において「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて」というタイトルのもと、中間整理(案)が公表されました。

障害福祉サービスの次期改正を見据えた上での方向性や論点が整理されている本資料ですが、その中でも今回は2018年度(平成30年度)の改正によって新たに創設されたサービス「共生型サービス」に関する現状、並びに主な論点等を抜粋し、確認を進めてまいります(中でも今回は特に「高齢者介護事業者が新たに共生型サービスに取り組み始めた」場合に焦点を絞ってお伝えしてまいります)。



社会保障審議会障害者部会で示されたデータ、並びに中間整理に記された今後の方針とは

それでは早速、内容に入ってまいりましょう。
先ずは大前提として、障害者の高齢化に関するデータ・情報についてです。

※下記の図をご確認ください

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「障がい者全体の内、高齢者(65歳以上)比率は46%→52%(6%アップ)」、分類項目で見ても「身体障がい者62%→74%(12%アップ)「知的障がい者4%→16%(12%アップ)」「精神障がい者34%→39%(5%アップ)」と、約10年の間で随分と高齢化が進んできていることが分かります。

続いて、共生型サービスの請求事業所数の状況についてです(=介護保険事業所が共生型障害福祉サービスの指定を受けているもの)。

※下記の表をご確認ください

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障がい福祉サービスを伴う「共生型サービス」は全部で607件。居宅介護・重度訪問介護・短期入所・生活介護・自立訓練(機能訓練)・自立訓練(生活介護)の全体事業所数の合計は45,601件であることを考えると、全体としては僅か1.3%の事業所しか共生型サービスを申請していないことが分かります。

他方、バラツキも大きく、居宅介護支援や重度訪問介護については全体の中で0.3%〜0.4%前後しか障がい福祉サービスが存在していませんが、生活介護については全体の中で3.6%が障害福祉サービスを実施しており、自立訓練(機能訓練)(同14.9%)、自立訓練(生活介護)(同1.6%)においても居宅介護支援や重度訪問介護と比較して高めの水準となっています。

続いて、「指定申請にあたって課題となったこと」及び「その対応策」についてです。

※下記の図をご確認ください

https://carebp.com/img_useful/img_117_3.jpg

やはり、高齢者介護に従事してきた介護職員の方々の理解を得ることが出来るかどうか、が大きなカギの一つであることが分かります。

一方、それらの課題を乗り越えてサービス提供を行っている事業者が感じている「始めて良かったと思うこと」については下記の通りです(高齢者介護からの参入は右側のデータ)。

※下記の図をご確認ください

https://carebp.com/img_useful/img_117_4.jpg

「高齢者がいきいきと元気になってきた」或いは「利用ニーズに応えることができた」という項目が大きいことは、今後、共生型サービスに取り組む事業者にとっては大きな励み・勇気となるのではないでしょうか。

最後に、「共生型サービス 提供開始以降、現在までに課題となったこと」に関するデータです。

※下記の図をご確認ください

https://carebp.com/img_useful/img_117_5.jpg

「介護保険サービス利用者と障害福祉サービス利用者に対する適切なケアの仕方の違いを再認識した」という項目が一番多いのは頷けるところですが、これらも見方によっては「事業者としての伸びしろ」だと理解できる部分もあるかもしれません。

そして、上記データ等を踏まえた結果、今回の中間整理(案)においては下記のような文言が記された次第です。

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(1) 現状・課題
○ 社会保障制度の原則である保険優先の考え方の下、サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、原則介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることになる。その際、介護保険サービスの利用に当たっての課題への対応として、共生型サービスや新高額障害福祉サービス等給付費が創設された。
○ 障害者が介護保険サービスを利用する場合も、それまで当該障害者を支援し続けてきた障害福祉サービス事業所が引き続き支援を行えるようにするため創設された共生型サービスについては、当該サービスの指定事業所の数は未だ多くなく、十分に普及しているとは言えない【令和2年 11 月審査分:共生型介護保険サービスの指定を受けた障害福祉サービス等事業所 117、共生型障害福祉サービス等の指定を受けた介護保険サービス事業所 739】。

○ また、介護保険サービスの利用に伴う利用者負担の軽減を図るために創設した新高額障害福祉サービス等給付費については、対象となり得る利用者への個別周知をしている自治体は約3割となっており、積極的な周知を行っていない自治体や支給実績のない自治体も一定程度存在する。

(2) 検討の方向性
○ 現行の介護保険優先原則を維持することは一定の合理性があると考えられるものの、介護保険優先原則の運用に当たっては、一律に介護保険サービスが優先されるものではなく、申請者ごとの個別の状況を丁寧に勘案し、介護保険サービスだけでなく障害福祉サービスの利用も含めて、申請者が必要としている支援が受けられるよう、支給決定を行う市町村において適切な運用がなされることが必要である。市町村によって、運用状況に差異があるとの指摘を踏まえ、一律に介護保険サービスが優先されるものではないこと等の運用に当たっての考え方について改めて周知徹底を図ることが必要である。

○ また、介護保険サービスの利用に当たっての課題への対応として創設された制度の普及が十分に進んでいるとは言えない状況であるため、
・共生型サービスについては、関係事業者に対する制度そのものの周知や、当該サービスの立ち上げに必要な準備、手続き等についての周知に取り組むとともに、
新高額障害福祉サービス等給付費については、当該制度についての情報が対象となり得る利用者に伝わるよう自治体における積極的な周知を進めるとともに、自治体による円滑な制度実施に向けた留意点や事例を示すことが必要である。

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共生型サービスの展開に関心をお持ちの介護経営者は早めの検討開始を

以上、高齢の障害者に対する支援等に関するデータ、並びに「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて」中間整理(案)からポイントを抜粋してお伝えさせていただきました。

高齢者介護を営んできた事業者様にとって、障がい福祉サービスはひょっとすると「未知なる世界」に映る場合もあるかもしれません。また、その一方で、「今後の経営を考えた場合、共生型サービスへの展開・参入も本格検討しなければ」と、お感じになられている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

今後、「共生型サービス」は恐らく障害福祉サービスを展開されている事業者様からの参入が加速する可能性があるものと思われます(現実として、「今、目の前にいらっしゃるご利用者をより長期間にわたって支援できる」ようになる訳ですし)。そのような状況が促進された場合、現時点ではまだ気にする必要性は薄いかもしれませんが、未来の話として今後、「共生型サービス」が地域によっては総量規制の対象になってくる、という事態も考えられない訳ではありません。

その意味も含め、共生型サービスへの参入が頭の片隅にある高齢介護事業者様は早めに情報収集を行い、今後の参入計画の検討を具体的に開始することも必要ではないかな、と感じる次第です(=先行して取り組みを開始することで、運営ノウハウやブランド等の蓄積も出来るし、他事業所との差別化も促進できる)。

我々も今後、更なる情報集・事例検討を行い、新たな情報が入り次第、皆様へ迅速にお伝えするよう努めてまいります。

※上記内容の引用元資料はこちら

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126730.html





(2021-12-27)

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