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6月に公表された「骨太方針2022」のポイントをおさえておきましょう

行政舵取りの「羅針盤」とも言える方針が公表

2022年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2022 新しい資本主義へ 〜課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現〜」(通称:骨太方針2022)。

岸田政権の発足以来初となる“骨太方針"の発表となった訳ですが、同政権が何に注力をしようとしているのか?について、私見ながら、過去の骨太方針と比較しても大変分かりやすくまとめられているように感じます。

本方針書の中で、高齢者介護業界に対してはどのような言及が為されているのか?今回は特に事業者として注視すべき3つのテーマを抜粋し、お届けしてまいります。




「骨太方針2022」で採り上げられている介護業界に関連するテーマ・トピックス

では、早速、中身に移ってまいりましょう。先ずは一点目のテーマ、「共生社会づくり」に関する抜粋です。
(特に重要と思われる箇所については太字にしています。以下、同じ。)

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(共生社会づくり)
長生きが幸せと思える社会の実現のため、高齢者の豊富な人生経験が尊重され、心通う拠り所となり、誰もが繋がりあえる地域づくりを推進する。

認知症施策推進大綱に基づき、認知症サポーターが地域で活躍できる場の整備等認知症の人や家族に対する支援を推進するとともに、第二期成年後見制度利用促進基本計画に基づき、成年後見制度を含めた総合的な権利擁護支援の取組を推進する。

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「高齢者の豊富な人生経験が尊重され、」という言葉が選択・表記されていることに示唆を感じます。単なる労働者・ワーカーではなく、高齢者の人生経験が活きる地域づくり(≒仕事・役割づくり?)・・・・既にその萌芽とも言える動きが全国各地で生まれてきていますが、今後、より一層、それらを促進させていく役割が、介護事業者に求められてくるのかもしれません。

では、次のテーマに移ってまいりましょう。二点目のテーマは「全世代型社会保障の構築」についてです。

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(全世代型社会保障の構築)
全世代型社会保障は、「成長と分配の好循環」を実現するためにも、給付と負担のバランスを確保しつつ、若年期、壮中年期及び高齢期のそれぞれの世代で安心できるよう構築する必要がある。

給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、能力に応じて皆が支え合うことを基本としながら、それぞれの人生のステージに応じて必要な保障をバランスよく確保する。

その際、給付と負担のバランスや現役世代の負担上昇の抑制を図りつつ、後期高齢者医療制度の保険料賦課限度額の引上げを含む保険料負担の在り方等各種保険制度における負担能力に応じた負担の在り方等の総合的な検討を進める。

全世代型社会保障の構築に向けて、世代間の対立に陥ることなく、全世代にわたって広く基本的な考え方を共有し、国民的な議論を進めていく。

家庭における介護の負担軽減のため介護サービスの基盤整備等を進める。公的価格の費用の見える化等を行った上で、職種毎に仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されること等を目指して、現場で働く方々の更なる処遇改善に取り組んでいく。

また、独居の困窮者・高齢者等に対する相談支援や医療・介護・住まいの一体的な検討・改革等地域共生社会づくりに取り組む。

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「給付と負担のバランス」という言葉はこの「全世代型社会保障」という言葉が出てきてからのメインアジェンダとして位置づけられています。

本記事では高齢者に関するくだりの箇所だけを抜粋させていただいているため感じることは難しいかもしれませんが、今年の骨太方針2022は全般にわたり、今まで以上に「子ども」に対する施策が豊富に盛り込まれている印象を覚えます(昨今のこども家庭庁の創設の動きを見ても明らかですし、また、今回の骨太方針2022の中にも「こども政策を推進する体制の強化を図り、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えていく」という言葉が明示されていることが大きな根拠です)。

今後、国として、それらを色濃く反映した社会保障制度設計が促進されていく、と十分予想出来ると共に、「高齢者分野の福祉」と「子ども分野の福祉」との掛け算を検討する介護経営者の方々もより増えてくることも充分に考えられるでしょう。

また、「公的価格の費用の見える化等を行った上で、職種毎に仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されること等を目指して、」という内容を実現するためには、職種や専門資格ごとの賃金データを今以上に精緻に調査する必要が出てくるかと思われます。

この辺り、今後、今まで以上に行政から各介護事業者に向けたデータ提出要請が強まるかもしれないことを頭に置いておいた方が宜しいかもしれないな、と感じた次第です(次のテーマの中でも本視点とリンクする文言が明示されています)。

最後に3つ目のテーマ、「社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進」についてです。

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(社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進)
医療・介護費の適正化を進めるとともに、医療・介護分野でのDXを含む技術革新を通じたサービスの効率化・質の向上を図るため、デジタルヘルスの活性化に向けた関連サービスの認証制度や評価指針による質の見える化やイノベーション等を進め、同時にデータヘルス改革に関する工程表にのっとりPHRの推進等改革を着実に実行する。

経営実態の透明化の観点から、医療法人・介護サービス事業者の経営状況に関する全国的な電子開示システム等を整備するとともに、処遇改善を進めるに際して費用の見える化などの促進策を講ずる。

医療・介護サービスの生産性向上を図るため、タスク・シフティングや経営の大規模化・協働化を推進する。

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人財確保難が続く中、“人員基準の緩和"とセットで語られることが多くなっている、介護業界のDX。時代の流れを含め、経営者としては相当な優先順位を持って取り組むことが今後、より一層求められてくると言えそうです。

尚、2番目の太字については前述の通り、上記2番目のテーマでコメントさせていただいた内容と大いにリンクする内容化と思われますので割愛させていただきます。




国策の“風"を読み取り、早め早めの準備を

以上、「骨太方針2022」より、介護業界に直接関係のある部分のみを抜粋してお伝えさせていただきました。繰り返しになりますが、本内容は国全体の舵取りの羅針盤方針的な位置づけであり、それ故、相応の重みを伴なった情報であることを強く認識しておく必要があろうかと思います。

事業者としては上記内容を踏まえつつ、「これらの情報に対し、自社としてどう適応していくか?」について事前に頭を働かせておくことは勿論、内容によっては打ち手や対策を早急に検討・開始していくことが重要だと思われます。是非、本情報を有効に活用していただければ幸いです。

私たちも今後、引き続き、本テーマを含め、より有益な情報や事例を入手出来次第、皆様に向けて発信してまいります。

※上記内容の参照先URLはこちら

「経済財政運営と改革の基本方針 2022 新しい資本主義へ 〜課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現〜」(骨太方針2022)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/2022_basicpolicies_ja.pdf



(2022-06-29)

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